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釣りマニアによって釣り上げられた魚は、たいていは氷水を入れたクーラーボックスの中に入れられて持ち帰られます。その方法がよく知られているのは、だれもが釣り上げてすぐの新鮮な状態で持ち帰って、おいしく食べたいと思っているからです。この方法は、一般的に「氷締め」と呼ばれています。釣ったら冷たい氷水で瞬間的に失神させて、そのままの状態を保たせるという、締め方の一つの方法なのです。締めるというのは、魚を新鮮な状態にしておくということです。
締める方法には、ほかに「血抜き」という方法もあります。これは、文字通り魚の体から血を抜いてしまうという方法です。血抜きを行うには、胸鰭の少し上の部分と尻尾の付け根あたりにナイフを突き刺して、そこを通る血管を切って、そこから体の中を流れる血を抜いていくという作業を行っていきます。体の二箇所にナイフを突き刺した後は、逆さまにして手に持ちます。これで、体の中にあった血は滴り落ちて、体の中に血のない状態になるのです。なぜこういった方法をするかというと、魚は興奮して暴れたりすると全身に血が回ってしまい、自ら肉質を低下させてしまうからです。そのため、こうして釣り上げられて暴れる魚から血を抜いて、それを防いでいるのです。じつは、ナイフを突き刺すだけでも死ぬので、血が全身に回るのを防ぐことができます。しかし、そのままにしておくと、体に残った血で生臭さが出たり肉質が落ちてしまいます。そこで、血さえ抜いておけば肉は新鮮な状態に保たれるので、血を抜いて締めておくわけです。
締め方の方法には、もう一つ、魚の体を通っている神経を切ってしまうという方法があります。「神経締め」という方法です。これは、死ぬと起きる死後硬直を遅らせて新鮮さを保たせるという方法です。死後硬直を遅らせることができれば、死んだ後も身が硬くならず、ほどよく身の締まったおいしい刺身が食べられるのです。神経締めのやり方は、脊髄に沿って走っている神経にステンレス線を通して、ご しごしとしごいて取り除くという方法がとられます。神経締めを行っている最中は、魚はピクピクと痙攣したように暴れるので、きちんと行えているのがわかります。ただし、神経締めをやっても、血抜きも行わないと、体に残った血によって生臭さが出てしまいます。それに、ビニール袋などに入れて氷に直接触れさせないようにして冷やして持ち帰るようにしなければ、痛みも速まります。神経締めは必ず必要なものではありませんが、魚を新鮮にして持ち帰り刺身でおいしく食べようと思うなら、最後の仕上げとしてこだわってみていもいいでしょう。